小児科
小児科
小児科は子どもの多様な疾患に対応する診療科です。
また、小児科専門医は「子どもの総合診療医」です。子どもの内科的疾患だけでなく、けがなどの外傷、心身症など子どもの訴えに広く対応することが求められます。
まずは気になることなどをご相談していただき、専門的な検査や治療が必要な状態と判断される場合は適切な高次医療機関などにご紹介していく「ナビゲーター」としての役割を果たしていくことが重要と考えております。
小児科で診療する対象年齢は、以前は中学生まででしたが、現在は概ね20歳までとされています。日本小児科学会でも「小児科医は子どもたちが成人するまで見守ります」と声明を出しております。
当院でも、概ね大学生までの方や親御さんの体調不良や健康相談にも地域のプライマリケア医として積極的に診療を行いたいと思います。
育児相談や健診、予防接種などにも幅広く対応していますので、お気軽にご来院ください。
このような症状の方はご相談ください。
「いつもと違う」という直感が、重大な病気の発見につながることもよくあります。お子さんの症状やお困りのことは何でも相談をお受けしますので、お気軽にご相談ください。
子どもの受診でもっとも多いのが発熱です。お子さんが熱を出すとご心配になることと思います。感染症が原因のことがほとんどで、多くのウイルス感染症は自然によくなることも多いのですが、中には重症な細菌感染等治療を要する感染症や川崎病のことがあります。
当院では問診や身体所見を基に、「今どうするべきなのか」を適切に評価し、十分な説明を行うことにより発熱に対する御不安に応えたいと思います。血液検査で白血球数や炎症反応(CRP)を迅速に調べることも可能です。また、各種感染症迅速検査も実施可能です。
さらに感染症対応個室診察室を2部屋設けており、発熱など感染症が疑われる症状の方は専用のお部屋で診察させていただきます。
胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、保育園・幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。軽度の脱水には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的で、自宅で行う方法も詳しく説明いたします。経口補水療法が難しい場合や中等症以上の脱水や低血糖を伴っている場合は点滴を行います。
また、腹痛や嘔吐などの胃腸炎症状を伴う腸重積や急性虫垂炎といった「危険な病気」でないかの評価も適切に行います。こちらは「おなかのエコー検査」を行うことで診断可能です。当院では「おなかのエコー検査」を積極的に活用します。
睡眠中に無意識に排尿してしまう症状で、5歳を過ぎて1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続く場合を夜尿症と定義しています。治療としてはまず生活指導と行動療法が行われます。内服治療としては、抗利尿ホルモン薬、抗コリン薬、三環系抗うつ薬、漢方薬などがあります。また、アラーム療法といって、夜尿をした際にアラームにより起きることで夜尿症を治療する方法もあります。(アラーム療法は自費診療になります)
修学旅行など集団で宿泊するような行事を控え夜尿が心配だ、など夜尿に関することも気軽にご相談いただければ対応いたします。
子どもの転倒などによる頭部外傷は、日常生活の中で遭遇することが多いけがといえます。多くの場合は、自宅で様子をみることが可能ですが、何回も嘔吐したり、意識を失ったり、けいれんしたりするなどの症状がある場合は、頭の中で出血をしていたり、骨折がないかを評価するために頭部CT検査などの画像検査が必要です。
頭部CT検査は被ばく量も多いため、本当に必要な状態かを見極め、必要な場合は適切な医療機関で検査を行う必要があります。「頭を打って心配」な場合はご相談ください。頭部CT検査など精査が必要であるかの見極めを行います。
熱性けいれんは、主に乳幼児期に起こり、発熱に伴ってけいれんする明らかな原因のないものをいいます。多くは数分で自然におさまることが多いですが、5分以上けいれんが続く場合(けいれ重積)は救急車で病院を受診し、けいれんを止める薬を注射する必要があります。
けいれんがおさまった後もある一定の時間以上意識状態が回復しない場合や生後6か月未満の乳児や年長児の場合は「ひきつけ」ではないこともあり、精査の対象となります。
また、繰り返し発熱時にけいれんを起こす場合は、発熱時にジアゼパムの坐薬を投与することで熱性けいれんを予防する治療もあります。
乳幼児で犬が吠えるような咳、あるいはオットセイが鳴くような特徴的な咳がみられます。待合室や診察室でこのような咳を聞いたらクループを疑います。軽症のことも多いですが、重症なクループの場合は入院治療や時に気管内挿管による気道確保が必要になることもあり重症度の見極めが重要です。軽症の場合は、エピネフリンの吸入とステロイドの内服治療を行います。
乳児は鼻呼吸で鼻づまりが原因で呼吸がしにくくなることがあります。RSウイルス感染症など鼻汁がたくさん出るような感染症にかかると哺乳も不十分になりますが、鼻汁を吸引することで呼吸が楽になり哺乳ができるようになることもあります。当院では鼻汁吸引も可能ですので、ご希望の場合は遠慮なくお伝えください。
風邪など感染症による気道の炎症に伴うことが多いですが、夜中にひどい咳で何回も起きる、ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴を伴う場合や咳こんで嘔吐するなどをご心配され受診されることが多いです。問診や身体所見からある程度咳の原因を特定することもできますが、呼吸状態の評価を適切に行い、症状が長く続く(数週間)場合は精査が必要な場合がありますのでご相談ください。
頭痛も小・中学生などを中心に頻度の多い訴えの一つです。多くは片頭痛などの一次性頭痛(明らかな原因のない頭痛)です。また、天気の悪い時に症状が出たり特定の誘因がある場合もあります。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛薬の頓服や片頭痛の予防内服薬を使用することもあります。漢方薬も治療として有用な場合もあります。頭痛でお悩みの場合はご相談ください。
横になっている状態や座っている状態から立ち上がるときに立ちくらみやめまい、頭痛、動悸などの症状がみられます。小学校高学年から中学生に多く、朝調子が悪くて起きられず学校に行けない場合も少なくありません。自律神経調節機能の不調が原因と考えられています。
治療は水分摂取や塩分摂取、定期的な運動を行うなどの非薬物療法とミドドリン塩酸塩内服などの薬物療法があります。
当院では自動血圧計による起立試験により起立性調節障害を診断し、治療することが可能です。起立性調節障害が疑われるような症状でお困りの場合はご相談ください。
「ブツブツ」も子どもの訴えとして非常に多いものです。どのような「ブツブツ」かにより、様子を見ておくことができるのか、治療が必要なものなのかを判断いたします。特に発熱を伴う場合など「ぶつぶつ」以外の症状もある場合はまず小児科にご相談ください。
また、アトピー性皮膚炎など治療が必要な疾患もありますので、「ぶつぶつ」を繰り返す場合もご相談ください。
やけども子どもによくみられます。誤って熱湯がかかったり、熱いものを触ったりして受傷します。やけどで重要なのはやけどの重症度とやけどの範囲の評価です。
当院では初期評価を行い、軽症の場合は当院で可能な範囲で対応し、重症度に応じて皮膚科や形成外科などのある病院へ紹介を行います。
「背が低い」ことを気にされていたり、乳幼児健診で低身長を指摘されて受診されることが多いです。その多くは家族性や体質性低身長が多いのですが、中には成長ホルモン分泌不全低身長など治療可能な低身長もあります。詳しくお話をお聞きし成長曲線をつけ、精査が必要なものなのかしばらく様子をみておくことができるものなのかを評価します。身長のことでお悩みの場合もご相談ください。
子どもの肥満は、「肥満度が+20%以上かつ有意に体脂肪率が増加した状態」と定義されます。肥満度は{(実測体重-標準体重)/標準体重}×100で求められます。小児肥満の大部分は原因疾患のない原発性肥満ですが、一部に内分泌性、視床下部性、薬物性の二次性肥満の場合はがあります。成長曲線の評価が重要です。
肥満は大人になってから脂質異常、糖尿病、高血圧に進展する割合が高く、大人になってから健康障害を起こさないようにしなくてはなりません。脂肪肝を合併していることもありこの状態が長く続くと大人になってから肝硬変や肝がんに進展する可能性も報告されています。当院では大人になって肥満による健康障害がおこらないように食事、運動、生活習慣に関して具体的にアドバイスを行っていきます。肥満でお悩みの方はご相談ください。